「一緒になってよかった、ありがとう」
この世にひとつだけの会葬礼状、葬儀に参列して頂いた方にせめてもの妻への想いをかたちにしたい、そんな思いからこの書状を綴らせていただいたという方の礼状文となります。
「一緒になってよかった、ありがとう」
別れを迎える四、五日前のことです。
私が病院から帰るとき、妻が突然「お父さん、チューして」と言いました。何を突然言い出すのかと大あわてでしたが、照れながらも意を決して「チュー」をした私に対し、心底嬉しそうに微笑んだ妻の表情が忘れられません。
若いころを思い出して面映ゆく、しかし何とも言えない喜びが込み上げ・・・
互いのこころと心が通じ合った瞬間だったと思います。
兄弟たちからも随分ひやかされたものですが、それ以来病院に来たときと帰るときの私達夫婦の挨拶となりました。
楽しい思い出ばかり残してくれた妻。
笑顔が明るく元気いっぱいで、三味線や弓、グラウンドゴルフやビデオ撮影など色々な趣味に励み、人の輪に囲まれて輝いていた姿がまぶたに浮かびます。
強い正義感と、溢れんばかりの優しさを持って、いつのときも人を喜ばせるため一生懸命でした。
つらい病を患っていても、最後まで前を向いて頑張り続けた妻は、
平成○○年○○月○○日六十四歳にて、
永い眠りにつきました。
最後の口づけに込めた、ありったけの「ありがとう」の思いは妻に伝わったでしょうか。
花咲くような笑顔のままに、どうかゆっくり休んでほしいと願っております。
生前お世話になりました皆様へ、心より感謝申し上げます。
本日のご会葬 誠に有難うございました。
関西葬祭センター
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